食べ物の好き嫌い(偏食)を克服すると人生が豊かになります

食べ物の好き嫌い(偏食)を克服すると人生が豊かになります。

偏食があるあなたへ、「好き嫌いは直せますよ」。

偏食(食べ物の好き嫌い)は、必要とする栄養素に偏りがある食事の状態です。

これは乳幼児・小児期・学童期では、しばしば話題になり、育児に懸命なお母さんの悩みのたねになっていますね。

また、成人してからの偏食は、社会的な生活にも影響を与えます。

私たちの身体が、栄養素を取り入れること(食事)によって成り立っているのは間違いがありません。

必要な栄養素を摂取しないと、将来、健全な成長の遅延が起こり、生活習慣病になってしまいます。

まずは、どのように好き嫌いが生じるのかを理解することが必要ですね。

好き嫌いのメカニズム

食べ物への好き嫌いを考える上で、その入口である、私たちの味覚がどのようなものなのかを知る必要があります。

味覚について

一般的に、味には「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「旨味」という5つの基本味があります。

私たちは、舌や軟口蓋にある食べ物の味を感じる小さな器官である味蕾(みらい)によって味を感じます。

味蕾にある味細胞が食品の味の成分を感知し、その刺激が神経を介して脳に伝わることで、私たちは味を感じているのです。

つまり、食品の味の多くは、この中のどれか1つ、あるいは複数の味が組み合わさった形で感じています。

この時、甘味はエネルギー源、塩味は、ミネラル(無機塩類)、酸味は腐ったもの、苦味は毒、うま味はタンパク質の存在を知らせる刺激となっています。

味覚経験が不十分の人は、酸味の料理を食べ物が腐っているという感じを、ゴーヤを食べると毒のような刺激を受けとるわけです。

さらに、私たちが美味しさを感じる時、味の5つの基本形だけでは説明できません。

つまり、味の5要素だけで、本当の味覚は決まらないのです。

風邪を引いて鼻が詰まった時など、食べるものがいつもと違うことを経験したことがあるでしょう。

味覚の他に、視覚、聴覚、触覚、嗅覚の5つの感覚を「五感」と呼びますが、美味しさを感じる時、この五感が「風味」といわれる味わいを作り出します。

この風味を味わうことのできる喜びが、好き嫌いから抜け出せる鍵になります。

この風味が味わえない情況、つまり、ある期間、持続的な味覚の失調になることを味覚障害(味覚減退・味覚消失・無味症・異味症)といいます。

その原因となるものには、亜鉛不足、薬剤の服用、口腔疾患、神経疾患、加齢、喫煙、口の乾き、ストレスなど、様々なことが考えられます。

食品成分としての亜鉛は、味細胞の新陳代謝に必須となる栄養素で、不足すると、味を感じる能力が低下してしまうと考えられています。

私は、5年前に、味覚障害と診断され、大学病院で2年間の診療をけて、味覚を取り戻した経験があります。
その時、嗅覚も低下していました。
完治して大好きなエビが以前の味になった時は、本当に嬉しかったです。

味を感じるためには、食品の栄養成分の必要な摂取と、味わう心を大切にすることです。

好き嫌いのメカニズム

人間の味の好みに関する発達は、母親の胎内にいるときから始まるといわれています。

胎児は、羊水を通じて、母親が摂取した食物の風味や匂いを感じて、生まれたあとも、母乳を通じて風味を感知します。

羊水や母乳を通した味覚の体験のあと、離乳期に初めて口にする固形食がどうであるかによって、食物の好き嫌いが決定づけられます。

母乳やミルクしか飲んでいなかった赤ちゃんが、新しい食べ物による味覚を経験することは不安や恐怖を生じます。

食べることによって、腹痛や下痢などの不快な思いをした場合、その食べたものに嫌悪感を持つでしょう。逆に、満足感が得られた時には、その食べ物を好きになる経験をします。

食べ物の好き嫌いは、後天的に得られる経験に大きく影響されることがわかります。

さらに、2歳頃に食べていたものは、多くの場合、大人になったあとも好きな食べ物になることがわかっています。

食の経験を重ねることが不安感を軽減するのです。

そうすると、好き嫌いを克服するには、料理を味わう経験(食の経験)を増やすことになりますね。

そのためにも、食品の栄養への理解が必要になってきます。

好き嫌いを直すために

私は田舎から都会に出てきた時はひどい偏食でした。
一人の下宿暮らしで、調理経験のない学生ですから、といって今のようにコンビや手軽に食べられるファミレスなどがない時代、極めて偏った食生活だったことを思い出します。

運よく、栄養学校に勤務したことで、仕事として昼食を食べること(検食と呼んでいます)で、無理やり強制された半年後には、あと少しの食品を除けば、いろいろな食品を食べることができ、味わうことができるようになっていました。

また、結婚して子供ができて、自分で料理を作るようになって、より食品や栄養・衛生に関する関心が強くなりました。

趣味の一つである、オートキャンプでは、料理に腕を振って、周りから喜ばれています。

そういう経験から、向上心の高いあなたには、食の経験を増やしてゆく努力をすれば、自分の気持ちを豊かにしてくれる新しい味覚に出会える、という楽しみを理解して欲しいです。

乳幼児・児童に対しての好き嫌いは、身体的に食べるための器官が未熟なことや幼児の生活行動もあるので、少しの配慮や見守る気持ちが必要です。機会があれば書きたいと思います。

味覚に対しては、私たちは保守的だといわれます。

しかし、新しい経験も臨む気持ちも持っています。

偏食のある方は、豊かな人生を送る方法の一つとしても、食べ物の好き嫌いを克服して下さい。

【参考文献】
・人体の構造と機能、医歯薬出版株式会社

・Wikipedia

・子どもの味覚【前編】食べ物の好き嫌いはどうして起こるのか?、ベネッセ教育情報サイト、https://benesse.jp/kyouiku/201212/20121213-2.html